GUESTS COLUMN / ゲストコラム

各専門分野のゲストから寄せられたコラムをご紹介します

【04】カイケイ的目線

北海道大学大学院経済学研究科 会計専門職大学院長・教授 吉見 宏


 
 

私の専門は会計学である。というと、意外に思われる方も最近は増えているようだ。それは、執筆や発言が、一般的にはおよそ会計とは関係のない(ようにみえる)分野にも及んでいるからだと思う。
 
会計学は、広くは経済学や経営学に含まれる、あるいは関係の深い学問分野だが、イコールではない。もう鬼籍に入られたが、私の恩師はしばしば会計学を「雑学」と言われていた。それは、経済学や経営学はもちろんのこと、広く社会全般に関心を持って臨まなければ会計学はできない、ということであったと思う。
 
しかし、一般には、会計学はどちらかというと計算ばかりやっているとか、そういうイメージで語られるのではないか。だから、将来AIが発達すれば、計算が中心の会計なんて、真っ先にいらなくなる仕事、あるいは学問ではないか、とも問われる。
 
このことへの反論は別の機会に譲るとして、ここでは会計が行う利益の計算、言い換えれば人がどれだけ豊かになったかの計算は、人にしかできないし、会計を通してしかできないということを指摘しておこう。人が豊かになったかどうかは、結局は人が決める。それを目に見える形にするのが会計。だから、社会が、人が何を求めているか、どうすれば豊かになったと感じるのかを知らないと、必要とされる会計はできない。
 
でもやはり会計といえば、お金の計算のイメージが強いだろう。だからここでは、会計ではなくあえてカイケイ的目線で、眺めてみようと思う。